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筆界特定制度と境界トラブルの相談先

隣地と境界の認識が食い違うときに使える筆界特定制度(法務局)と ADR(境界問題相談センター)の概要、申請できる人、費用の決まり方を法務省の記載から説明します。

この記事は公的機関の資料の記載を整理した一般的な情報で、個別の土地の境界や法的判断を示すものではありません。確認日 2026-10-18。具体的な案件は土地家屋調査士・法務局にご相談ください。

筆界特定制度とは

筆界特定制度は、土地の所有者として登記されている人などの申請に基づき、筆界特定登記官が外部専門家である筆界調査委員の意見を踏まえて、現地における土地の筆界の位置を特定する制度。新たに筆界を決めるのではなく、もともとあった筆界を明らかにする手続で、土地の所有権の範囲を特定するものではない。

申請できる人

土地の所有者として登記されている人やその相続人などが、対象土地の所在地を管轄する法務局・地方法務局の筆界特定登記官に申請する。共有地は共有者の一人から単独で申請でき、資格者代理人は土地家屋調査士・弁護士・認定司法書士(司法書士は対象土地の価格合計額の2分の1に100分の5を乗じた額が140万円以下の場合に限る)。

費用

申請手数料は対象土地の価格(固定資産課税台帳に登録された価格)によって決まる。法務省の例示では、申請人の土地と隣の土地の価格の合計額が4,000万円の場合、申請手数料は8,000円。東京法務局の案内では、両土地の価格を合計して2で割り0.05を掛けた額を算定基礎額とし、100万円まで10万円ごとに800円、100万円超500万円まで20万円ごとに800円、500万円超1,000万円まで50万円ごとに1,600円、1,000万円超10億円まで100万円ごとに2,400円などの区分で算出し、収入印紙で納付する。手続中に測量が必要になった場合は別途測量費用がかかる。

筆界特定の申請手数料の算定区分(東京法務局の案内)
算定基礎額手数料の加算
100万円まで10万円ごとに800円
100万円超500万円まで20万円ごとに800円
500万円超1,000万円まで50万円ごとに1,600円
1,000万円超10億円まで100万円ごとに2,400円
10億円超50億円まで500万円ごとに8,000円
50億円超1,000万円ごとに8,000円

表は東京法務局の案内の区分を転記したもので、手数料は固定資産課税台帳の価格から算出します。正確な額は法務局のシミュレーションや窓口で確認してください。

期間

標準処理期間(申請から筆界特定までに通常要すべき標準的な期間・不動産登記法130条)は法務局ごとに定められており、東京法務局は9か月、名古屋法務局は9か月(令和5年4月3日受付分から)、横浜地方法務局は令和7年10月1日受付分から9か月(それ以前は7か月)。関係者の人数や事案の複雑さにより超える場合がある。

筆界と所有権界

「筆界」とは土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線で、所有者同士の合意などによって変更することはできない。一般にいう「境界」は筆界と同じ意味で使われるほか、所有権の範囲を画する線(所有権界)の意味でも使われ、その場合は筆界とは異なる概念となる。横浜地方法務局は「筆界と所有権界とは一致しないこともあります」としている。 筆界特定は筆界の位置を特定する手続で、所有権の範囲そのものを決めるものではありません。所有権に争いがある場合は、土地家屋調査士や弁護士に相談してください。

ADR(境界問題相談)

土地家屋調査士のうち ADR 認定を受けた者は、筆界が明らかでないことを原因とする民事紛争について、弁護士との共同受任を条件に、民間紛争解決手続の代理を行えます(出典: 連合会)。

出典・確認日

    全出典は出典一覧に掲載しています。誤りに気づかれた場合は修正依頼から。

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