この記事は公的機関の資料の記載を整理した一般的な情報で、個別の土地の境界や法的判断を示すものではありません。確認日 2026-10-18。具体的な案件は土地家屋調査士・法務局にご相談ください。
「境界」には 2 つの意味がある
「筆界」とは土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線で、所有者同士の合意などによって変更することはできない。一般にいう「境界」は筆界と同じ意味で使われるほか、所有権の範囲を画する線(所有権界)の意味でも使われ、その場合は筆界とは異なる概念となる。横浜地方法務局は「筆界と所有権界とは一致しないこともあります」としている。
境界確定測量(確定測量)と現況測量
東京土地家屋調査士会は、分筆に必要な作業として「その土地を測量して接している全ての土地との境界を明らかにする」測量を確定測量と呼び、隣接民有地だけでなく道路との境界も決め、隣接所有者・道路管理者との立会・協議の結果を境界(筆界)確認書として取り交わすと説明している。滋賀県土地家屋調査士会は、現況測量を「現地の状況を調べる」測量で「土地境界確定のための資料に使う、現況図面を作成するための測量」と説明している。
注: 「確定測量」「現況測量」の定義は調査士会ごとの説明です。連合会サイトに両者を並べた説明ページは確認できませんでした。事務所によって呼び方や作業範囲が異なるため、見積の際は「何を、どこまで」含むかを確認してください。
境界確定の進み方
連合会の相談Q&A等では、境界確定は(1)土地家屋調査士に依頼、(2)法務局・市区町村役場・土地区画整理組合等での資料調査、(3)現地の測量、(4)収集資料と測量結果の確認、(5)仮の境界点を現地に復元、(6)関係土地所有者との境界立会、(7)境界標設置・境界確認書の取り交わし、(8)登記申請(必要であれば)の8段階で進むとされる。
- 土地家屋調査士に依頼相談・見積。
- 資料調査法務局・市区町村役場などで公図・地積測量図などを調べます。
- 現地の測量現況と資料を突き合わせます。
- 結果の確認収集資料と測量結果を照らし合わせます。
- 仮の境界点の復元現地に印を付けます。
- 境界立会関係する土地の所有者(道路は管理者)と現地で確認します。
- 境界標の設置・境界確認書合意した点に境界標を設置し、書面を取り交わします。
- 登記申請分筆・地積更正などが必要な場合に行います。
境界標の種類と取り扱い
境界標は筆界の点または線の位置を表すための標識(目印)で、頭部に点の位置を特定する「しるし」が付いている(大阪土地家屋調査士会)。種類は、コンクリート杭(一般的に永続性のある境界標として多く使用)、プラスチック杭(加工が簡単で様々な形式がある)、金属鋲・金属プレート(金属標。構造物があり杭の設置が困難な場合に使用)、木杭(1〜2年程度で腐食するため仮杭として使用)、石杭(御影石。堅固で理想的だが高価)(兵庫県土地家屋調査士会)。京都会は側溝等にカッターで溝をつけた「刻み」も挙げている。
刑法262条の2(境界損壊): 境界標を損壊し、移動し、若しくは除去し、又はその他の方法により、土地の境界を認識することができないようにした者は、5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処する。 境界標が見当たらない・動いているように見えるときは、自分で動かさず、土地家屋調査士に相談してください。
地籍調査との関係
国土交通省の報道発表(令和7年6月27日)によると、令和6年度末時点の地籍調査の進捗率は、全国の「地籍調査対象地域」で53%、「優先実施地域」で81%。令和6年度の調査実績は623㎢。
出典・確認日
- 法務省:筆界特定制度(法務省・確認日 2026-10-18)
- 土地家屋調査士にできること|東京土地家屋調査士会(東京土地家屋調査士会・確認日 2026-10-18)
- よくあるご質問|三重県土地家屋調査士会(三重県土地家屋調査士会・確認日 2026-10-18)
- Q&A - 兵庫県土地家屋調査士会(兵庫県土地家屋調査士会・確認日 2026-10-18)
- 刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百六十二条の二(e-Gov法令検索・確認日 2026-10-18)
- 「土地の戸籍」に関する最新の調査実施状況を公表します~「優先実施地域」の進捗率が81%に上昇~(国土交通省・確認日 2026-10-18)